ワゴンRスマイルとハスラー、どっちがいい?後悔しない選び方

スライドドアが便利なワゴンRスマイルと、SUVデザインが魅力的なハスラー。どちらもスズキを代表する人気の軽自動車ですが、いざ購入を検討すると、その違いがよく分からず決められない、という方も多いのではないでしょうか。
自分のライフスタイルに合わない車を選んで失敗や後悔をしたくない、というのは当然の気持ちです。この2台は似ているようで、実はコンセプトが大きく異なります。便利なスライドドアを重視するのか、それともSUVならではの走破性や遊び心を求めるのかによって、最適な選択は変わってきます。
この記事では、そんなあなたが最適な一台を選べるよう、両車種の比較を通じて「ワゴンRスマイルとハスラーはどっちがいいのか」という疑問に、客観的な情報をもとに詳しくお答えしていきます。この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- ワゴンRスマイルとハスラーの基本的な違い
- 価格や燃費など維持費に関わる比較
- 利用シーンごとのおすすめポイント
- あなたに最適な一台を見つけるための最終判断基準
ワゴンRスマイルとハスラー、どっちがいい?基本を比較

ここでは、ワゴンRスマイルとハスラーを比較検討する上で、まず押さえておきたい基本的な5つの項目について解説します。
- スライドドアの有無が大きな違い
- それぞれの外観デザインの特徴
- 内装の質感と収納スペース
- 室内空間の広さと居住性
- 荷室の広さとシートアレンジ
スライドドアの有無が大きな違い
ワゴンRスマイルとハスラーの最も分かりやすい違いは、後席ドアの構造です。ワゴンRスマイルが両側スライドドアを採用しているのに対し、ハスラーは一般的なヒンジドアを採用しています。
ワゴンRスマイルのスライドドアは、狭い駐車場での乗り降りに非常に便利です。子供を抱っこしながらでも、荷物で両手がふさがっていても、スイッチひとつで自動開閉できるため、ファミリー層から特に高い支持を得ています。壁や隣の車にドアをぶつける心配が少ないのも大きなメリットです。ただし、構造が複雑なため、ヒンジドアに比べて車両重量がやや重くなる傾向があります。
一方、ハスラーのヒンジドアは、構造がシンプルで開閉が軽いのが特徴です。スライドドアほどの利便性はありませんが、故障のリスクが少なく、車体を軽量に保つことにも貢献しています。ドアを開ける際には後方に一定のスペースが必要になるため、駐車環境によっては少し気を使う場面があるかもしれません。
したがって、後席に人を乗せる機会が多い方や、小さなお子さんがいるご家庭ではワゴンRスマイルが、主に1人か2人で乗り、ドアの開閉スペースに困らない環境であればハスラーも十分な選択肢と考えられます。
それぞれの外観デザインの特徴
外観デザインは、この2台の個性がはっきりと表れる部分です。
ワゴンRスマイルは「四角いのに、どこか丸みを感じさせる」という、親しみやすく優しいデザインがコンセプトです。丸目のヘッドライトや柔らかなボディラインが特徴で、どこか懐かしさを感じさせるレトロモダンな雰囲気をまとっています。ツートーンカラーのバリエーションも豊富で、自分らしい一台を選べる楽しさがあります。
対照的にハスラーは、大きな丸目のヘッドライトは共通しつつも、全体的にはカクカクとした力強いシルエットが印象的な「遊べる軽クロスオーバーSUV」です。バンパーやフェンダーアーチの無塗装樹脂パーツがタフな印象を与え、アウトドアシーンにもよく似合います。こちらもカラーバリエーションが非常に豊富で、アクティブなライフスタイルを表現できるデザインです。
どちらのデザインが良いかは完全に好みの問題ですが、柔和で可愛らしい雰囲気を求めるならワゴンRスマイル、アクティブで個性的なスタイルを好むならハスラーが、それぞれ魅力的に映るでしょう。
内装の質感と収納スペース
内装にも、それぞれのキャラクターが色濃く反映されています。
ワゴンRスマイルの内装は、インパネ周りのカッパーゴールドのアクセントや、温かみのあるファブリックシートなど、まるで自分の部屋のリビングにいるかのような、上質で居心地の良い空間を目指して作られています。収納スペースも、日常の使い勝手を考えて工夫されており、助手席前のインパネトレーやドアポケットなど、細やかな配慮が見られます。
一方のハスラーは、インパネに3連のガーニッシュが配置されるなど、外観のタフなイメージとリンクした、遊び心あふれる機能的なデザインです。助手席前のインパネアッパーボックスはテーブルとしても使えるほか、シートの柄や素材もアウトドアでの使用を想定したものが用意されています。収納も多く、特に後席背面のパーソナルテーブルは、後席での快適性を高めるユニークな装備です。
上質さや落ち着きを重視するならワゴンRスマイル、機能性やワクワクするような楽しさを求めるならハスラーの内装が、それぞれマッチすると考えられます。
室内空間の広さと居住性
軽自動車を選ぶ上で、室内の広さは非常に気になるポイントです。ここでは、両車のスペックを比較してみましょう。
項目 | ワゴンRスマイル | ハスラー | 差 |
室内長 | 2,185 mm | 2,215 mm | ハスラー +30mm |
室内幅 | 1,345 mm | 1,355 mm | ハスラー +10mm |
室内高 | 1,330 mm | 1,270 mm | スマイル +60mm |
表を見ると、室内長と室内幅ではハスラーがわずかに上回りますが、室内高ではワゴンRスマイルが60mmも高いことが分かります。この室内高の差は、実際の乗り心地に大きく影響します。
ワゴンRスマイルは、頭上空間に圧倒的なゆとりがあり、開放感は抜群です。背の高い方でも窮屈さを感じにくく、後席でも快適に過ごせます。
ハスラーも決して狭いわけではありませんが、ワゴンRスマイルと比較すると、頭上空間はややタイトに感じられるかもしれません。しかし、前後席の乗員間距離はしっかり確保されており、足元スペースには十分な余裕があります。
どちらも大人4人が問題なく乗車できますが、より広々とした開放感を求めるのであればワゴンRスマイルに軍配が上がると言えます。
荷室の広さとシートアレンジ
買い物やレジャーなど、荷物を積む機会は意外と多いものです。荷室の使い勝手も比較してみましょう。
ワゴンRスマイルは、後席スライドドアの機構を収める関係で、荷室の奥行きはハスラーに比べてやや控えめです。しかし、開口部が広く、床面が低く設計されているため、重い荷物の積み下ろしがしやすいというメリットがあります。後席は左右独立でスライド・リクライニングが可能で、荷物の量や乗員数に応じて柔軟にスペースを調整できます。
ハスラーは、荷室の奥行きが広く、後席を倒せば広大なフラットスペースが出現します。さらに、後席背面や荷室フロアが汚れを拭き取りやすい素材でできているため、泥のついたアウトドア用品や濡れた荷物も気兼ねなく積むことが可能です。これは、SUVであるハスラーならではの大きな魅力です。
日常の買い物がメインであればワゴンRスマイルでも十分ですが、キャンプや釣り、スポーツ用品など、大きくて汚れる可能性のある荷物を積む機会が多い方には、ハスラーの荷室が非常に頼もしく感じられるはずです。
ワゴンRスマイルとハスラー、どっちがいい?使い方で比較

ここからは、実際の利用シーンを想定して、どちらの車がより適しているかを考察していきます。
- 街乗り中心なら燃費で選ぶ
- 乗り心地と静粛性をチェック
- 未舗装路も走るなら走行性能
- 先進の安全性能に差はあるか
- 新車・中古車の価格の違い
- おすすめのグレードはどれか
街乗り中心なら燃費で選ぶ
日々の維持費に直結する燃費性能は、車選びの重要な要素です。両車ともにマイルドハイブリッドシステムを搭載したグレードがあり、優れた燃費を実現しています。
車種 | グレード例 (2WD) | WLTCモード燃費 |
ワゴンRスマイル | HYBRID X | 25.1 km/L |
ハスラー | HYBRID X | 25.0 km/L |
ワゴンRスマイル | G (非ハイブリッド) | 23.9 km/L |
カタログスペック(WLTCモード)を見ると、ハイブリッドモデル同士の燃費はほぼ互角です。両車とも軽自動車トップクラスの低燃費であり、どちらを選んでもガソリン代で大きな差が出ることはないと考えられます。
ただし、ワゴンRスマイルにはハイブリッドを搭載しない「G」グレードがあり、車両価格を抑えつつも23.9km/Lという良好な燃費を達成しています。初期費用を少しでも抑えたい場合には、このグレードも有力な選択肢となります。
燃費性能に大差はないため、街乗りがメインで少しでも燃料費を節約したいという視点では、どちらを選んでも満足できるでしょう。
乗り心地と静粛性をチェック
毎日乗る車だからこそ、乗り心地や静粛性は快適なドライブに欠かせません。この点において、両車は異なる味付けがされています。
ワゴンRスマイルは、全体的にソフトでしなやかな乗り心地が特徴です。路面の細かな凹凸をうまく吸収し、乗員に不快な振動を伝えにくく作られています。また、遮音材や吸音材が効果的に配置されており、静粛性も高く、会話や音楽を楽しみながらリラックスして運転できます。
一方、ハスラーの乗り心地は、ワゴンRスマイルに比べると少ししっかりとした印象です。これは、SUVとしての走行安定性を確保するためのセッティングであり、決して乗り心地が悪いわけではありません。むしろ、カーブや高速道路での安定感につながっています。ただし、路面の状況によっては、ワゴンRスマイルよりもゴツゴツとした感触が伝わりやすい場面があるかもしれません。
快適性やリラックスできる空間を最優先するならワゴンRスマイルが、安定感のあるしっかりとした走りを好むならハスラーが、それぞれ適していると言えます。
未舗装路も走るなら走行性能
走行性能、特に悪路での走破性には明確な差があります。
ワゴンRスマイルは、あくまで街乗りをメインに想定した車です。最低地上高は140mmと標準的で、舗装路を快適に走るためのセッティングがされています。雪道や整備された砂利道程度であれば問題ありませんが、本格的な悪路走行は想定されていません。
これに対し、ハスラーは最低地上高を180mm確保しており、多少の凹凸やわだちも安心して乗り越えられます。さらに、4WDモデルには、滑りやすい路面での発進をサポートする「グリップコントロール」や、急な下り坂で車速を自動制御する「ヒルディセントコントロール」といった、SUVならではの機能が標準装備されています。
したがって、キャンプ場の未舗装路や、積雪の多い地域での走行など、アウトドアでの利用を考えているのであれば、ハスラーの走行性能が非常に心強く感じられるはずです。舗装路しか走らないという方であれば、ワゴンRスマイルの性能で全く不足はありません。
先進の安全性能に差はあるか
現代の車選びにおいて、安全性能は絶対に妥協できないポイントです。ワゴンRスマイルとハスラーは、どちらもスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を搭載しており、高い安全性を確保しています。
主な安全機能の比較
安全機能 | ワゴンRスマイル | ハスラー |
衝突被害軽減ブレーキ | ○ | ○ |
誤発進抑制機能 | ○ | ○ |
後退時ブレーキサポート | ○ | ○ |
全車速追従機能付ACC | ○ (一部グレード) | ○ (一部グレード) |
車線逸脱抑制機能 | ○ (一部グレード) | ○ (一部グレード) |
全方位モニター用カメラ | ○ (オプション) | ○ (オプション) |
基本的な衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能は両車ともに標準装備(一部グレード除く)です。高速道路での運転を楽にする全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)や車線逸脱抑制機能も、両車の上位グレードに搭載されています。
ただし、ワゴンRスマイルの最上位グレードには、すれ違い支援機能が全方位モニターとセットで装備されるなど、細かな点で違いがあります。この機能は、狭い道でのすれ違い時に死角を減らしてくれるため、運転に不慣れな方には嬉しい装備です。
基本的な安全性能に大きな優劣はありませんが、自分の運転スタイルや不安に感じるシチュエーションに合わせて、必要な機能が備わっているかを確認することが大切です。
新車・中古車の価格の違い
購入時の費用も重要な判断基準です。新車価格帯は以下のようになっています。
車種 | グレード | 価格帯(税込) |
ワゴンRスマイル | G / HYBRID S / HYBRID X | 約135万円 ~ 約177万円 |
ハスラー | HYBRID G / HYBRID X / J STYLE | 約138万円 ~ 約183万円 |
新車価格を比較すると、ハスラーの方がわずかに高めの設定となっています。これは、SUVとしての機能や装備が加わっているためと考えられます。
中古車市場では、どちらも非常に人気が高く、高値で安定している傾向があります。特にハスラーは初代モデルからの人気も根強く、リセールバリュー(再販価値)が高い車種として知られています。ワゴンRスマイルも新しい車種でありながら人気が高まっているため、将来的な価値も期待できます。
初期費用を少しでも抑えたい場合は、ワゴンRスマイルの非ハイブリッドグレードが選択肢に入ります。一方で、数年後の乗り換えを考えた場合のリセールバリューを重視するなら、ハスラーも魅力的な選択と言えるかもしれません。
おすすめのグレードはどれか
幅広いグレード展開の中から、自分に合ったものを選ぶのは難しいものです。ここでは、目的別におすすめのグレードを提案します。
ワゴンRスマイルのおすすめグレード
- コストパフォーマンス重視なら「HYBRID S」 両側パワースライドドアやマイルドハイブリッドなど、ワゴンRスマイルの魅力を一通り備えながら、価格とのバランスが取れたグレードです。日常使いで不便を感じることはほとんどないでしょう。
- 装備の充実を求めるなら「HYBRID X」 LEDヘッドランプや14インチアルミホイール、プレミアムUV&IRカットガラスなどが追加され、内外装の質感が向上します。快適装備を重視する方におすすめです。
ハスラーのおすすめグレード
- バランスの良さで選ぶなら「HYBRID X」 LEDヘッドランプや後席のパーソナルテーブル、各種メッキ加飾など、ハスラーらしい魅力と実用的な装備が揃った人気の中心グレードです。
- デザイン性と特別感を求めるなら「J STYLE」 専用のメッキフロントグリルやルーフレール、レザー調の内装など、内外装をよりスタイリッシュに仕上げた特別仕様車です。他のハスラーと差をつけたい方に最適です。
これらの情報を参考に、ご自身の予算や求める装備を照らし合わせて、最適なグレードを見つけてください。
結論:ワゴンRスマイルとハスラーどっちがいい?
これまで様々な角度からワゴンRスマイルとハスラーを比較してきました。最終的にどちらを選ぶべきか、この記事の要点をまとめます。
- ワゴンRスマイルは後席両側スライドドアが最大の特徴
- ハスラーはSUVらしいデザインと高い悪路走破性が魅力
- 室内高はワゴンRスマイルが6cm高く、開放感に優れる
- 荷室はハスラーの方が広く、防汚仕様でアウトドア向き
- 街乗りの乗り心地と静粛性はワゴンRスマイルに軍配が上がる
- キャンプや雪道など未舗装路を走るならハスラーが適している
- 燃費性能や基本的な安全性能に大きな差はない
- デザインは優しく親しみやすいスマイル、アクティブで個性的なハスラー
- 小さなお子さんがいるファミリーにはスライドドアのスマイルが便利
- 趣味やレジャーでアクティブに使いたいならハスラーが頼りになる
- 新車価格はハスラーの方がやや高めの設定
- リセールバリューはどちらも期待できるが、ハスラーにやや分がある傾向
- ワゴンRスマイルはリビングのような居心地の良い内装
- ハスラーは機能的で遊び心のある内装
- 最終的にはライフスタイルとデザインの好みが決め手となる











